しまなみ海道レンタサイクル完全ガイド 料金・乗り捨て・電動自転車まで

尾道で借りた自転車を今治で返せる——しまなみ海道のレンタサイクルには、そんな片道旅ができる「乗り捨て」の自由度があります。9つの橋で結ばれた島々を、往復の移動を気にせず自分のペースで走れるのが最大の魅力です。ただし電動アシスト自転車は当日返却のみだったり、新尾道大橋は自転車で渡れなかったりと、知らずに計画すると戸惑うルールもいくつかあります。

この記事の要点

  • 走行距離の目安 — 自動車専用道路としては約60km、自転車で島々を回る場合は70km前後が目安
  • アクセス概要 — 今治側はJR今治駅、尾道側はJR尾道駅が主な玄関口
  • 所要時間 — 初心者なら半日で30km、1日で50km程度、70km走破は10時間程度が目安
  • 予算目安 — 一般車は1日3,000円、電動アシスト自転車は1日4,000円(2026年8月時点)

しまなみ海道レンタサイクルの料金

まず気になるのは料金です。一般車(クロスバイク・シティサイクル・軽快車)は大人1日3,000円、小学生以下は1日1,000円です。電動アシスト自転車は1日4,000円、E-bikeは1日8,000円、タンデム自転車は1日4,000円となっています(2026年8月時点)。子ども連れやカップルでの利用も想定された車種がそろっているので、旅のスタイルに合わせて選べます。

福祉割引を忘れずに

身体障害者手帳・療育手帳・精神障害者保健福祉手帳の交付を受けている方とその介助者は、レンタサイクル貸出料金が半額になります。対象の方は借りる前に確認しておくとお得です。

料金の次に押さえておきたいのが、電動アシスト自転車・E-bike・タンデム自転車は当日返却のみで、複数日にまたがるレンタルができないという点です。数日かけて島めぐりをしたい場合は、一般車を選ぶ必要があります。

乗り捨てルールと返却の流れ

しまなみ海道のレンタサイクルは、沿線に複数設置されたターミナル間での返却(乗り捨て)が可能です。尾道で借りて今治で返す、あるいはその逆といった使い方ができるので、往復の移動を考えずに片道の旅程を組めるのが大きな魅力です。

尾道駅前ターミナルの営業時間は3月〜11月が8:00〜19:00、12月〜2月が8:00〜18:00です(2026年8月時点)。出発・返却の時間はこの営業時間内に収まるように計画しておきましょう。

新尾道大橋は自転車で渡れません

広島・尾道と向島の間にかかる新尾道大橋には自転車歩行者道が併設されていません。尾道から向島へ渡る際は渡船を利用します。

電動アシスト自転車・E-bikeを選ぶなら

坂道や向かい風が不安な方には、電動アシスト自転車やE-bikeが心強い味方です。標準の電動アシスト自転車の走行距離目安はエコモードで200km、オートモードで105km、パワーモードで62kmとされています。チャイルドシート付きの電動アシスト自転車の場合は、エコモード68km、オートモード53km、パワーモード45kmが目安です。

バッテリー切れが心配なら

瀬戸田観光案内所・瀬戸田サンセットビーチ・大三島レンタサイクルの3か所ではバッテリー交換に対応しています。長距離を電動アシストで走る予定なら、このルート上での交換を計画に組み込んでおくと安心です。

先ほど触れた通り、電動アシスト自転車・E-bike・タンデム自転車は当日返却のみのレンタルです。前日から借りて複数日かけて回るような使い方はできないので、日帰りプランに向いている車種と言えます。

子ども連れ・体の不自由な方への配慮

お子様と一緒にサイクリングを楽しみたい方には、チャイルドシート付きの自転車が用意されています。ただしお子様の身長・体重によっては利用できない場合があるため、事前に条件を確認しておくと安心です。また子ども用自転車も用意されているので、ある程度の年齢のお子様なら自分の自転車で島めぐりに参加できます。

子連れの装備が整ったところで、次は出発地点の選び方を見ていきましょう。

出発地点は尾道?今治? アクセスの選び方

しまなみ海道は愛媛県今治市と広島県尾道市を結ぶルートで、車での片道所要時間はおよそ1時間です。サイクリングの起点は尾道側・今治側の2か所から選べます。

尾道を起点にすると、街中からのスタートになるので交通の便がよく、周囲に飲食店も多いのが利点です。尾道から向島へは渡船で渡り、その料金は自転車の持ち込みを含めて大人1名110円、所要時間は約5分です。

一方、今治を起点にすると、序盤からしまなみ海道屈指の絶景を楽しめて、村上水軍にまつわる歴史も感じられます。どちらから走っても橋でつながる島々を巡れるので、宿泊先やアクセスのしやすさで選ぶとよいでしょう。

公共交通機関でのアクセス

車を持っていなくても、しまなみ海道への到達は難しくありません。今治側はJR今治駅、尾道側はJR尾道駅が主な玄関口で、そこから路線バス・高速バス・船を組み合わせて各島へ移動できます。

松山市方面からアクセスする場合は、JR予讃線で今治駅へ向かうのが公共交通の基本ルートです。道後温泉エリアからはJR松山駅がやや離れているため、松山市駅と今治駅前を結ぶ「せとうちバス」の路線バスを利用する方法もあります。今治から道後温泉へ戻る場合、路線バスならおよそ1時間で到着します。

駐車場・車でのアクセス

自転車を持ち込んで、あるいは現地でレンタルして走りたい方向けに、車でのアクセスも押さえておきましょう。今治側は西瀬戸自動車道「今治IC」、尾道側は「西瀬戸尾道IC」が主な入口です。

広島駅から向かう場合、広島駅屋上駐車場からしまなみ海道までの所要時間はおよそ1時間45分、予想料金は4,010円というデータがあります。広島市内から日帰りでしまなみ海道に立ち寄る際の目安にしてください。

アクセスの全体像がつかめたところで、実際のルートを尾道から今治まで順にたどってみましょう。

モデルコース:尾道から今治まで橋を渡る

初心者が1時間に走れる距離の目安はおよそ10km、半日なら30km、1日なら50km程度です。70kmを1日で走破することも可能ですが、その場合の所要時間は10時間程度を見込んでおく必要があります。しまなみ海道は自転車で走ると70km前後になるため、1日で走り切るか、宿泊をはさんで2日に分けるかを事前に決めておくと計画が立てやすくなります。

以下は尾道駅前ターミナルからの出発を想定した、1日走破プランの目安です。

時刻行程
8:00尾道駅前ターミナルでレンタサイクルを借りる
8:10尾道港から渡船で向島へ(約5分、自転車込み110円)
8:30向島・高見山展望台で島々と橋を一望
10:00因島に到着、因島公園(天狗山)で休憩
12:00生口島・瀬戸田でランチと瀬戸田しおレモンスイーツ
14:00多々羅大橋を渡り大三島へ、大山祇神社を参拝
16:00伯方島・大島を経由して今治方面へ
18:00今治到着、来島海峡展望館や今治城へ

ここからは、この順路で訪れる島ごとの見どころを詳しく見ていきます。

向島:平坦な道で足慣らし

尾道から渡船で最初に着く向島は、比較的平坦なコースが多く初心者にも走りやすい島です。潮風を感じながらペダルをこぐだけでも気持ちがよく、しまなみ海道の旅の足慣らしにぴったりです。高見山展望台に立ち寄れば、これから渡っていく島々と橋を一望できます。

項目内容
アクセス尾道港から渡船で約5分(自転車込み110円)

因島:天狗山からの多島美

向島を抜けると次に着くのが因島です。島の南側には天狗山(標高207m)一帯が公園として整備された因島公園があり、頂上の展望台からは瀬戸内の多島美を望めます。橋を渡ってきた疲れを、この景色で癒やすのもよいでしょう。

項目内容
所在地因島南部・天狗山(標高207m)

生口島(瀬戸田):レモンとアートの島

生口島(瀬戸田)

レモンとアート生口島(瀬戸田)

レモン畑とアートが点在する生口島の瀬戸田エリア。多々羅大橋の優美な姿を望みながら、島ならではの甘酸っぱいご当地スイーツも楽しめます。

Photo by Matthew Yong on Unsplash

因島から橋を渡ると、レモン畑とアートの島として知られる生口島(瀬戸田)に着きます。多々羅大橋の優美な姿は必見で、橋を眺めながらひと休みするサイクリストの姿もよく見られます。瀬戸田サンセットビーチは800mにわたる白い砂浜と澄んだ海が広がり、中国地方でも屈指の海水浴場として知られています。

項目内容
所在地瀬戸田サンセットビーチ(しまなみレモンビーチ)
特記800mの白い砂浜が続く海水浴場

大三島:鳴き龍が響く橋のたもとへ

鳴き龍と大橋大三島

中央支間長890mを誇る多々羅大橋のたもとに位置する大三島。橋の主塔真下で手をたたくと音が長く響き、龍の鳴き声のように聞こえる「鳴き龍」を体験できます。

生口島から多々羅大橋を渡ると大三島です。この橋は完成時に世界最長を誇った斜張橋で、中央支間長は890mにおよびます。主塔の真下で手をたたくと音が長く反響し、龍の鳴き声のように聞こえる「鳴き龍」は、しまなみ海道の中でもこの橋でしか体験できない現象です。

島内には大山祇神社があり、参拝とあわせて博物館にも立ち寄れます。旧暦5月5日には御田植祭が行われる神社としても知られています。島内を周回すれば、静かなビーチや眺望スポットに寄り道することもできます。

瀬戸内の島で味わいたい

  • 瀬戸田しおレモン系スイーツ — レモン畑が広がる生口島・瀬戸田エリアの名物
  • ヒラメなど瀬戸内の海産物 — 多々羅大橋のたもとの道の駅で味わえる新鮮な一皿

伯方島・大島を抜けて今治へ

大三島を後にすると、伯方島・大島を経由してしまなみ海道の終盤に入ります。ここまでで多くの橋を渡ってきたことになり、いよいよ今治側のゴールが近づいてきます。ペース配分に不安がある場合は、この区間で少しペースを落として体力を温存しておくとよいでしょう。

今治:タオルの聖地でゴール

タオルと城下町今治

江戸時代に築城の名手・藤堂高虎によって築かれた今治城がそびえる、タオル生産量日本一のまち。来島海峡展望館からは来島海峡大橋と瀬戸内海の景色も楽しめます。

伯方島・大島を抜けて橋を渡り切ると、しまなみ海道の終着点である今治に到着します。今治には江戸時代に築城の名手・藤堂高虎によって築かれた今治城があり、街歩きの締めくくりにぴったりです。今治といえばタオルの聖地としても知られ、生産量は日本一を誇ります。来島海峡展望館に立ち寄れば、来島海峡大橋と瀬戸内海を一望できます。

項目内容
見どころ今治城、来島海峡展望館
特産品タオル(生産量日本一)

初心者向けの走り方の目安

島ごとの見どころを押さえたところで、改めて走行ペースの目安を確認しておきましょう。初心者の場合、1時間に走れる距離はおよそ10km、半日なら30km、1日なら50km程度が無理のない範囲です。70kmを1日で走り切ることも可能ですが、休憩を含めて10時間程度はかかると考えておくと安心です。

しまなみ海道は自動車専用道路に自転車歩行者道が併設された区間が多く、走りやすい環境が整っています。自転車の通行料金は2028年3月31日まで無料となっているため、通行料を気にせず橋を渡れるのも嬉しいポイントです。過去にはアメリカの放送局CNNが選ぶ「世界7大サイクリングロード」のひとつに選出されたこともあり、海外からのサイクリストの姿も見られます。

泊まるなら

全長70km前後のルートを一気に走り切るのが不安な方は、途中で1泊をはさむ計画もおすすめです。しまなみ海道の沿線には島ごとに宿泊施設が点在しており、走りながら気になる宿を見つけて途中下車するような旅の組み立てもできます。無理のないペースで島めぐりを楽しみたい方は、2日に分けるプランを検討してみてください。

よくある質問

Q. 尾道から今治まで自転車で何時間かかりますか?

初心者の走行ペースは1時間におよそ10kmが目安です。しまなみ海道を自転車で走る距離はおよそ70kmとされ、これを1日で走破する場合はおよそ10時間を見込んでおく必要があります。半日で30km、1日で50km程度というペース配分が無理のない目安なので、体力に自信がなければ2日に分けるのもひとつの方法です。

Q. 車を持っていなくても走れますか?

今治側はJR今治駅、尾道側はJR尾道駅が主な玄関口で、そこから路線バス・高速バス・船を組み合わせて各島へ移動できます。松山方面からはJR予讃線や、松山市駅と今治駅前を結ぶ「せとうちバス」の路線バスも利用できるので、車がなくてもしまなみ海道への到達は可能です。

Q. 電動アシスト自転車は乗り捨てできますか?

電動アシスト自転車・E-bike・タンデム自転車は当日返却のみのレンタルとなっており、複数日にまたがる利用はできません。一般車のように別日に別のターミナルへ返却するような使い方をしたい場合は、一般車を選ぶ必要があります。

Q. 子ども連れでも走れますか?

チャイルドシート付きの電動アシスト自転車が用意されており、お子様と一緒にサイクリングを楽しめます。ただしお子様の身長・体重によっては利用できない場合があるため、事前に条件を確認しておくと安心です。ある程度成長したお子様向けには子ども用自転車も用意されています。

Q. 自転車の通行料金はかかりますか?

自転車の通行料金は2028年3月31日まで無料です(2026年8月時点)。橋を渡るたびに料金を心配する必要がないので、島から島へ気軽に移動できます。

基本情報

項目内容
ルート尾道市(広島県)〜今治市(愛媛県)、自動車専用道路として約60km、自転車走行では70km前後
レンタサイクル料金一般車 大人1日3,000円/小学生以下1日1,000円、電動アシスト自転車1日4,000円、E-bike1日8,000円、タンデム自転車1日4,000円(2026年8月時点)
福祉割引身体障害者手帳・療育手帳・精神障害者保健福祉手帳の交付を受けている方と介助者は半額
尾道駅前ターミナル営業時間3月〜11月 8:00〜19:00、12月〜2月 8:00〜18:00(2026年8月時点)
自転車通行料金2028年3月31日まで無料
車でのアクセス今治IC(西瀬戸自動車道)、西瀬戸尾道IC
公式サイトしまなみジャパン レンタサイクル

尾道から今治まで、島と橋をたどるしまなみ海道は、レンタサイクルの仕組みさえ理解しておけば初めてのサイクリストでも十分に楽しめるルートです。電動アシスト自転車で坂道の不安を減らしたり、乗り捨てを活用して片道の旅程を組んだりと、自分のペースに合わせた走り方を選んで、島々の景色を存分に味わってください。

主要スポットの位置(地図はドラッグ・拡大できます):

ふらりの落款印

参考・出典